アロマの未来【取り巻く環境の変化と将来性】

リシェス代表をしております弘中義雄と言います。
今回、長年アロマ業界に居る身として、
男性目線でアロマについて何か書いて欲しいと依頼を受け、
いろいろと考えを巡らせた末、
一歩引いた位置から社会とアロマについて書かせていただきました。

長文ですが、
ご一読いただけたら幸いです。

スポンサーリンク

アロマの未来【取り巻く環境の変化と将来性】

『アロマ・アロマテラピー業界の未来ってどうなんだろう?!』
『将来性があるのだろうか?』

と、考えたことはありませんか?

仕事として。
誰かの役に立ちたい。
趣味として。
ただただ香りが好き。

など、人それぞれアロマとの関わりは違うと思いますが、
興味のあるアロマのことです。
やはり気になりますよね。

ネットで調べてみても意外と情報が少なく、
仕事として探してみるとネガティブな意見が多いのも事実です。

早い時期からアロマ業界にいるリシェスの代表弘中義雄が、
今後のアロマ・アロマテラピーがどこに向かって行くのか?
将来性は?
需要は?
など一体どう捉えているか。

今回はこの業界には珍しい男性目線で
『アロマの未来【取り巻く環境の変化と将来性】』
という観点から書いてみたいと思います。

まずは、
「アロマテラピーの将来性」についてですが、

私は
【今までの考え方を変える必要があるが、活躍の場は増え、需要は高まってくる】
と考えています。

なぜこのような結論に至ったかは、
現代の時代背景の変化からご説明しましょう。

◆AI(※01)・IoT(※02)に仕事が奪われる未来

皆さんもテレビや新聞、
ネットニュースなどで見聞きした方も多いと思いますが、
現在、多方面で技術革新がすさまじい勢いで進んでいます。
そんな中、あと10年でなくなる仕事、消える仕事をオックスフォード大学が認定しています。

・銀行の融資担当者
・スポーツの審判
・不動産ブローカー
・レストランの案内係
・電話オペレーター
・給与・福利厚生担当者
・レジ係
・ネイリスト
・集金人
・ホテルの受付係
・電話販売員
・税務申告書代行者
・データ入力作業員
・薄記、会計、監査の事務員
・金融機関のクレジットアナリスト
などなど。

レジ係などは、この地方である岡山でもすでにセミオート化されつつありますし、
東京ではすでに無人のコンビニなども出現しています。

これまで人間にしかできないと思われていた仕事の大半は、
近い将来、AIを搭載したロボットなどの機械に取って替わられると言われています。

では、アロマの世界はどうなっていくでしょう?

専門家の見立てによると、
アロマセラピストはAIにより代替される可能性は低いとされています。

私自身も同じように考えています。

それはなぜなのか?

アロマテラピーの中でも、
アロマセラピストはコミュニケーション能力が必要なカウンセリングや、
手を使ったトリートメントを行います。

コミュニケーションや手を使ったトリートメントは、
どんなにAI技術が進化してもまだまだ補えない役割が多々あるからです。

遠い未来、技術がもっと進化すれば分かりませんが、
今すぐ取って替わられることはないでしょう。

このことに関しては、
昨年の西日本豪雨での被災者支援でのボランティア活動や、
リシェスも以前から続けている、
高齢者施設、デイケアサービス、緩和病棟などでの活動を通して痛感しています。
(その反面、より多岐に渡る専門知識と経験値の必要性を感じていますが・・・)

人の心や想いを満たすことができるのは、
やはり心と想いを持った人間だけなのです。

只、対象者の要望に応じたメニューの提案などは、
AIが行うようになるかもしれません。。。


※01(Wikipediaより抜粋)
人工知能(artificial intelligence:AI)とは、
「『計算』という概念と『コンピュータ』という道具を用いて、
『知能』を研究する計算機科学の一分野」を指す語。

※02(Wikipediaより抜粋)
モノのインターネット(Internet of Things:IoT)とは、
様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され、
情報交換することにより相互に制御する仕組みのことである。
それによるデジタル社会(クロステック)の実現を指す。

◆高齢化社会とアロマテラピー

「2025年問題」って聞いたことはありませんか?

あと6年後の話ですが、
2025年の日本は、
団塊の世代が75歳を超えて後期高齢者となり、
国民の3人に1人が65歳以上、
5人に1人が75歳以上という、
人類が今まで経験したことのない
『超・超高齢社会』を迎えるという問題のことです。

では、「超高齢社会」になるとどうなるのか?

容易に想像がつくと思いますが、
必然的に高齢者や介護が必要になる方向けのサービス需要が増えるということです。

ここでアロマに何ができるのか?

答えをお伝えする前に、
現代社会が抱える問題についてもお話しします。

◆ストレス社会とアロマテラピー

現在日本は経済的に豊かになり、
科学技術も高度に発達し、
より便利で快適な生活ができるようになった一方で、
益々激しくなる競争社会、管理社会の中で多くのストレスを抱え、
こころの病に悩む方が増えています。

特に増え続けているのが、
近年、メディアなどでもよく耳にするようになった、
「うつ病」です。

実際、平成に入ってからのうつ病総患者数(推定 / 厚生労働省発表)の推移は、

1993年(平成5年) 13万3000人
1996年(平成8年) 20万7000人
2014年(平成26年) 72万9000人

とものすごい勢いで増えています。

この流れは今後も加速すると言われています。

では、心の病に悩む人が増えるとどうなるのか?

心の病を改善したり予防するための心療内科やカウンセラー、
セラピストの出番が増えるということです。

薬や外科的治療で改善される身体と違い、
心は、人がかかわることで改善されます。
今後はカウンセリングや心理学を学んでいる人の需要が確実に増えていくでしょう。

◆医療・福祉・介護の現場でのアロマの役割

ここまで読まれて、
「いったいアロマで何ができると思いますか?」
と問われ、

・もっと医療・福祉・介護の現場にアロマを導入すれば・・・
・精油が保険適応になり、
 もっと安価で手に入れることができるようになれば・・・
・医療・福祉・介護関係者のアロマへの理解が高まれば・・・

「もっとアロマセラピストとして活躍できるのに」

と思われたあなた、
ちょっと考えてみてください。

日本でのアロマテラピーは国家資格ではありません。
そして、アロマテラピーの安全性および効果を証明するエビデンス(証拠)がないに等しいです。

医療の現場で保険適応される治療法や治療薬でさえ、
何千人、何万人規模での臨床研究が行われたのちに、
何年もかかって国から承認されるかどうかという世界です。

また、アロマテラピーで使う精油が安全かどうかという問題に加え、
国家資格でもないアロマセラピストを病院や施設に入れ、
精油を用いた施術をさせて本当に安全なのか?
という問題があります。

この壁を越えて、保険が適応され、
精油がもっと安価になり、
多くの医療・福祉・介護関係者がアロマを受け入れ、
職業の一つとして認められるのは、
きっともっと時間がかかると思います。

しかしこのような問題がある一方で、
医療・福祉・介護の現場で、
アロマセラピストへの期待が高まり始めているのも確かではあるのです。

今の社会で、
国家資格でもないアロマテラピーやアロマセラピストができること、
それは治療ではなく、あくまで「補完療法」だと思います。

対象となる方の自己治癒力を高め回復を促したり、
QOL(生活の質)の向上や、
対象の方とその家族の精神的なサポートを主な目的とすべきです。

カウンセリングやトリートメントで、
治療からくる様々なストレスを緩和することで
治療の効果も大きく変わってくるはずです。

ただそのためには、
「現場で医療従事者からの説明を十分理解できる」、
「医学的知識と治療中の対象者に安全に行うことができる」、
という点がクリアされていることが前提になります。

それらの知識もなく、
単に「想い」だけでアロマテラピーを行うことは、
あまりにも危険な行為であると考えています。

アロマテラピーのすばらしさを伝えたい!
アロマトリートメントはこんなに気持ちがいい!
という想いは、アロマを学んだ方たちを遠巻きに見てきた者としてよく理解できますが、
「想い」が強いあまり一方的であるように見受けられます。

でも実はそうであってはならないのです。

そう、アロマセラピストが主体であってはいけない・・・

いつもアロマテラピーの中心にいるべきは、
アロマテラピーの受け手である対象者、クライアント、患者です。

ボランティアであろうと有償であろうと、
対象の方や病院、施設への責任は一緒で、
現場で活動するのであれば、
精油学やマッサージ技術だけでなく、
必要な倫理や安全管理、
対象となる方の疾患や状態への理解、
そして人にしかできないコミュニケーションスキル、
ホスピタリティ、個人情報の取り扱いなど、
とにかく多くの知識と、
いかなる場面でも対応ができるだけの実務経験が必要となるのです。

◆需要が高まるアロマセラピストとして活躍するには

少し脅すようなことを言いましたが、
今後社会において求められるアロマの専門家とは、

アロマテラピーはもちろんのこと、
多岐に渡る高い知識を持ち、
確かな技術を持った実務経験豊富なアロマセラピストの需要でしょう。

対象者の体が感じる苦痛や苦悩を軽減させ、
心の活力を再び引き出せる高いコミュニケーション能力を持ったアロマセラピスト達が、
今後、医療・福祉・介護の現場で活躍する日が来ると考えています。

実際、リシェスにも、
理解のある医療・福祉・介護関係者の方からの問い合わせが増え、
アロマセラピストを派遣して欲しいとの依頼も10年前と比べて多くあるのも事実です。

また看護師や薬剤師などの国家資格を持つ方が、
自らのキャリアにアロマをプラスして、
治療以外のサービスで貢献できないかと、
アロマの勉強をはじめられる方が増えています。

時代がまさにAIにはできない職業として、
アロマセラピストを望んでいる証しなのだと思います。

アロマテラピーの専門知識を持ち、
医師や看護師からの説明を理解し、
安全にアロマテラピーを実践できるアロマセラピストを目指すこと。

リシェスの代表として、
男性目線で冷静にアロマテラピーの将来を見た時、
来るべき高齢化社会・ストレス社会に向け、
人だからこそできる職業として、
アロマセラピストの需要は増えていくと考えています。

だからこそ、
リシェスでは社会で必要とされるアロマセラピストの育成を全力で行っていきたいと思っています。

将来、必要とされるアロマセラピストになるために、
今からしっかり勉強してもらいたいと思います。

アロマテラピーは誰でもできます。
ですが、誰でもできること「だけ」をしていては明るい未来はやってきません。

アロマテラピーの将来は、
謙虚な気持ちであなたが何を学ぶかに掛かっています。

2019年8月
リシェス代表 弘中義雄


【編集後記】
最後まで長文乱文をお読みいただきありがとうございました。

実は、個人的にここ数年アロマ業界は停滞してると感じています。
だからこそ、今後どうなっていくのか、
というテーマを選び書かせていただきました。
いろいろなご意見があるとは思いますが、
皆さんが今後のアロマについて考えるきっかけになってくれればと思っています。

私自身は明るい未来を思い描いています!

書き終わった今、
気が向けばですが、
「アロマ社会学シリーズ」として、
今後も書いてもいいかなと・・・

ご意見・ご感想のある方は、
info@rishece.jp
までお送りください。

ありがとうございました。

本場ヨーロッパのアロマ専門知識が地方で学べるアロマ専門スクール
Rishece~リシェス~
(ライブラ香りの学校 岡山校)
◆英国IFA 国際アロマセラピスト認定校
◆ ISA認定 メディカルアロマセラピスト認定校
◆(公社) 日本アロマ環境協会 総合資格認定校
リシェスは2004年にアロマテラピー専門スクールを開校いたしました。
アロマに触れるのは初めてという方から、アロマの本場ヨーロッパ(イギリス)の資格、さらにはEU自然療法士同等の国際レベルのアロマ専門知識を学んでいただくことができる中四国唯一のアロマスクールです。
大切な人に自信をもって、そして安全にアロマテラピーを伝えていくための知識は、あなたの未来を大きく変化させる可能性を持っています。
はじめは趣味で始めた方が、気が付けば自分すら想像していなかった未来をつかむことができるのもアロマテラピーの可能性です。開講15年、卒業生は1100名以上。岡山の老舗アロマ専門スクールで想像もしなかった自分の未来へ羽ばたきましょう!


【アロマの基礎を学ぶ】
アロマテラピー検定対策講座
アロマテラピーアドバイザー認定講習会

【アロマの専門知識を学ぶ】
英国IFA 国際アロマセラピスト専科課程
ISA認定 メディカルアロマセラピスト専科課程
AEAJ認定 アロマセラピスト専科課程
AEAJ認定 インストラクター課程

【各部位アロマトリートメント法を学ぶ】
ハンドセラピスト養成講座
アロマヘッドセラピスト養成講座
アロマフットセラピスト養成講座
アロマボディセラピスト養成講座
アロマフェイシャルセラピスト養成講座

【高齢者に向けた方法を学ぶ】
高齢者向けハンドトリートメント講座
高齢者向けフットトリートメント講座

【ブレンディングを極める】
アロマブレンドデザイナー講座

【講演・セミナー・出張講座】
≪内容≫ 詳細はコチラ
・自宅介護者のストレスケアとしてのアロマ
・職員のストレスケアにアロマを取り入れたい
・福祉、薬学を学ぶ学生の特別授業
・介護予防プロブラムに導入したい
…など
*お問合せはフォームはコチラから*
***********************
岡山市北区平田27-10 MAP
URL:http://rishece.jp/
TEL:086-250-2320
E-mail:info@rishece.jp

スポンサーリンク